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トリオ展だけどペアのお話1「ヴァラドンとユトリロ」

ヴァラドンとユトリロ
シュザンヌ・ヴァラドンの《自画像》(トリオ「18 女性たちのまなざし」)は、黒く太い輪郭線と原色による強い色彩を用いて、50代を迎えた画家の姿をてらいなく描き出します。「3 都市と人々」「7 都市の遊歩者」に登場するモーリス・ユトリロは、ヴァラドンの私生児として生まれました。やがて気付け薬として与えられたぶどう酒が高じてアルコール中毒に陥り、治療の一環として絵を描き始めます。母の助言を受けつつ独学で創作を続け、パリの街を題材にした詩情豊かな風景画で早くから人気を得ました。母ヴァラドンもまた国際的に評価され、女性画家の先駆のひとりとして活躍します。画業の成功の裏でユトリロの治療は続き、母子の私生活は波乱万丈でした。母であり、女性であり、画家であり続けたヴァラドン。《自画像》の力強いまなざしは、自身の半生をどのように見つめているのでしょう。