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Osaka Directory 3 Supported by RICHARD MILLE
遠藤 薫
2023-01-20 – 2023-02-26
概要
遠藤薫(1989年、大阪生まれ)は国内外各地で、その地に根ざした工芸や歴史、生活と密接に関わる政治との関係性を紐解き、主に「布」を用いて作品を制作してきたアーティストです。それらを「使う」こと自体によって、工芸的と名指しされるものが、社会のなかでどのような位置にあるかを表現してきました。
本展覧会では、今回のために石垣島で制作された丸木舟を展示します。丸木舟は、沖縄を含む南西諸島では1950年代頃まで、漁船としてだけでなく、荷物の運搬や移動手段としても活用されていました。展示する舟の帆は、沖縄の米軍嘉手納基地の敷地内で黙認されてきた耕作地に生える糸芭蕉(バナナの一種)の繊維でできています。作家が自ら繊維を取り出し、芭蕉布を織り上げ、帆に仕立てました。
本展は、芭蕉布と沖縄・八重山列島をめぐるパイパティローマ伝説(*)と、基地からの副産物で創られる沖縄の民芸品について、弱さとも強さとつかない柔らかで痛切な「人の営み」に視線を向けています。インスタレーションに組み込まれた、日用品に限らない「生活の中で用いられてきたもの」から、その土地に暮らす人々の記憶から切り離せない政治や歴史的背景の存在を感じることができるでしょう。
*八重山列島最南端の島、波照間島のさらに南にあると信じられていた島についての伝説。パイ(南)・パティ(果て)・ローマ(サンゴ礁)で「南の果てにあるサンゴ礁の島」を意味すると言われています。
展覧会情報
会期 | 2023年1月20日(金) - 2月26日(日) *月曜日休館(開館日は開場) |
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開場時間 | 10:00 – 17:00 |
会場 | 大阪中之島美術館 2階 多目的スペース |
主催 | 大阪中之島美術館、公益財団法人 関西・大阪21世紀協会【設立40周年記念事業】 |
Supported by | |
協賛 | |
協力 | 吉田サバニ造船、紅露工房、宙吹ガラス工房 虹、公益財団法人 小笠原敏晶記念財団 |
観覧料 | 無料 |
参考作品
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《重力と虹霓》2021年
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《火炎瓶/ コーラ/ 沖縄/ 1945》2021年
作家プロフィール
遠藤 薫(えんどう・かおり)1989 年、大阪府生まれ。2013年、沖縄県立芸術大学工芸専攻染織科卒業。2016年、志村ふくみ(紬織, 重要無形文化財保持者)主宰アルスシムラ卒業。出身地である大阪に加え、東京、沖縄、ベトナムなどを拠点にしながら、国内外で制作を行う。最近の主な展示に「STILL ALIVE: 国際芸術祭あいち2022」(豊島記念資料館、愛知県一宮市、2022年)、「琉球の横顔」(沖縄県立博物館・美術館、沖縄、2021–2022年)、「Welcome, Stranger, to this Place」(東京藝術大学大学美術館陳列館、東京、2021年)、「閃光と落下傘」(青森公立大学 国際芸術センター青森、青森、2020年)「第13回 shiseido art egg」(資生堂ギャラリー、東京、2019年)などがある。
関連プログラム
アーティスト・トーク
登壇者 | 遠藤薫、吉田友厚(吉田サバニ造船) |
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モデレーター | 大下裕司(大阪中之島美術館学芸員) |
開催日 | 2023年1月21日(土) 11:00 – 12:00 |
会場 | 大阪中之島美術館 2階 多目的スペース |
定員 | 30名程度 |
参加費 | 無料*事前申込不要 |
「Osaka Directory(おおさか・ディレクトリ)」 とは
「Osaka Directory」は、大阪中之島美術館が関西・大阪21世紀協会と共同で主催する、関西ゆかりの若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会です。今年度を皮切りに、これからの時代を象徴する、新たな表現を生み出す作家を毎年紹介していきます。ディレクトリとは、IT用語でファイルデータを整理し分類するためのフォルダ等を意味します。本シリーズを通して、将来活躍が期待される関西の若手アーティストファイルをディレクトリに格納していくように、ここ大阪中之島美術館から彼らの活動を広く世に紹介し、世界に羽ばたくことを支援していきます。