

拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ
2025-12-13 – 2026-03-08
概要
シュルレアリスムが芸術のみならず社会全体に影響をもたらしたことは今日においてもなお特筆に値するものです。シュルレアリスムの発生から約100年を経た今、本展覧会は日本国内に所蔵されている多様なジャンルの優品を一堂に会し、シュルレアリスムの本質に迫ります。圧倒的存在感をもって視覚芸術、ひいては社会全体へと拡大したシュルレアリスムを、表現の媒体をキーワードとして解体し、シュルレアリスム像の再構築をめざします。
展覧会情報
| 会期 | 2025年12月13日(土) – 2026年3月8日(日) 前期:12月13日(土)– 1月25日(日) 後期:1月27日(火)– 3月8日(日) 休館日:月曜日、12/30(火)、12/31(水)、1/1(木・祝)、1/13(火)、2/24(火) *1/12(月・祝)、2/23(月・祝)は開館 |
|---|---|
| 開場時間 | 10:00 – 17:00(入場は16:30まで) |
| 会場 | 大阪中之島美術館 4階展示室 |
| 主催 | 大阪中之島美術館 |
| 特別協力 | 横浜美術館 |
| 企画協力 | 株式会社キュレイターズ |
| 観覧料 | 一般 1800円(団体 1600円) 高大生 1500円(団体 1300円) 小中生 500円(団体 300円) *税込価格 *2025年11月13日(木)10:00から販売開始予定 *当館メンバーシップ会員の無料鑑賞/会員割引 対象 *本展は日時指定制ではございません。 *団体料金は20名以上。団体鑑賞をご希望される場合は事前に開館時間・料金・団体受付ページからお申込みください。 *学校団体の場合はご来場の4週間前までに学校団体見学のご案内からお申込みください。 *障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)は当日料金の半額(要証明)。ご来館当日、2階のチケットカウンターにてご購入ください。(事前予約不要) *一般以外の料金でご利用される方は証明できるものを当日ご提示ください。 *本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。 *災害などにより臨時で休館となる場合があります。 【チケットの主な販売場所】 大阪中之島美術館チケットサイト、ローソンチケット(Lコード:55812)、ローソン各店舗 |
| お問い合わせ | 大阪市総合コールセンター(なにわコール) 06-4301-7285 受付時間 8:00 – 21:00(年中無休) |
みどころ
1. 芸術界にとどまらないシュルレアリスム! オブジェ、絵画、写真などの芸術分野ではもちろん、広告やファッション、インテリアなど日常にも拡大していったシュルレアリスム。それぞれ1章ずつ、全6章の構成により、これまで本格的に検証される機会の少なかった視覚芸術以外の分野を併せて検証することでシュルレアリスムの発展、変遷をたどります。
2. シュルレアリスムの名品が大集結! サルバドール・ダリ、マックス・エルンスト、ルネ・マグリットをはじめとするシュルレアリスムを代表する作家たち。本展覧会には、シュルレアリスムの名品が大集結します。なかでも特筆すべきは、ルネ・マグリット《王様の美術館》(横浜美術館所蔵)の来阪です。大阪中之島美術館のコレクションを代表する《レディ・メイドの花束》とともに、ふたりの山高帽の男が展示室を彩ります。
3. ファッションとシュルレアリスム エルザ・スキャパレッリ シュルレアリストたちとの交流が深かったデザイナー、スキャパレッリ。彼女の代名詞ともいえるショッキング・ピンクのドレス(イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」、島根県立石見美術館所蔵)をはじめ、独自のデザインが施された香水瓶やジュエリーなど、多岐にわたるスキャパレッリ作品が集結します。

マルセル・デュシャン
《帽子掛け》
1917年 / 1964年(シュワルツ版 ed. 6/8)
京都国立近代美術館© Association Marcel Duchamp / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2025
G3872
マン・レイ
《不滅のオブジェ》
1923 / 1965年(ed. 79/100)
横浜美術館© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2025
G3872
ジョルジオ・デ・キリコ
《福音書的な静物 Ⅰ》
1916年
大阪中之島美術館© SIAE, Roma & JASPAR, Tokyo, 2025
G3872
構成
第1章 オブジェ―「客観」と「超現実」の関係
シュルレアリスム、それは私たちが疑う余地なく現実だと認識しているものの中から、より上位の現実である「超現実」を露呈させることです。客体(=objet[仏]/オブジェ)として事象をみつめることで「超現実」と向き合ったシュルレアリストたちのオブジェにより、シュルレアリスムの扉を開きます。
-

アンドレ・ブルトン
『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』(初版本)
1924年
岡崎市美術博物館 -

フランシス・ピカビア
《黄あげは》
1926年
大阪中之島美術館
第2章 絵画―視覚芸術の新たな扉
「自動筆記」(オートマティスム)という文学的な実験に由来するシュルレアリスムは、長い伝統をもつ絵画の領域にも広がります。エルンスト、マグリット、デルヴォー、ダリなどはそれぞれの個性豊かな作風や技法を使って、人の深層心理や夢想を反映した不可思議な光景や人物像を描きました。
-

イヴ・タンギー
《失われた鐘》
1929年
豊田市美術館 -

ルネ・マグリット
《レディ・メイドの花束》
1957年
大阪中之島美術館
第3章 写真―変容するイメージ
19世紀前半に誕生した写真術は、被写体をそのまま写すという本来の役割を超えて、20世紀美術を彩る主要な表現のひとつになります。シュルレアリストは多様な技法を駆使して、日常的なモチーフを斬新で謎めいたイメージへと変えました。マン・レイを筆頭に、各国の芸術家が多彩な写真表現に取り組みます。
-

ヴォルス
《美しい肉片》
1939年
個人蔵
第4章 広告―「機能」する構成
本展覧会のテーマは「拡大するシュルレアリスム」。4章からは、オブジェ、写真、絵画といった芸術と呼ばれる領域から、さらに広く目を向けます。デペイズマンやコラージュ、フォトモンタージュなどシュルレアリスムにおいて多用されたテクニックを発揮した、訴求力に富んだ広告に注目します。
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クルト・セリグマン
《国際シュルレアリスム展》
1938年
サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)
*後期展示 -

フリッツ・ビューラー
《ポスター「ジオデュの帽子」》
1934年
宇都宮美術館
*後期展示
第5章 ファッション―欲望の喚起
シュルレアリスムは、モードやファッションと近接する場にありました。服飾そのものや服飾雑誌にシュルレアリスム的手法が用いられるとともに、服をまとうマネキンを身体のオブジェ化としてとらえるなど、シュルレアリストたちのインスピレーションの源ともなりました。ファッション界とシュルレアリスムの関係を探ります。
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ヴォルス
《無題》
1937 / 1979年の再プリント
横浜美術館
*後期展示 -

エルザ・スキャパレッリ
《イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」》
1938年
島根県立石見美術館
*前期展示
第6章 インテリア―室内空間の変容
違和感を引き起こして現実に揺さぶりをかけるシュルレアリスムにとって、日常生活の場である室内の安定した秩序を転覆させることには大きな意味がありました。室内に置かれる家具もまた、有機的な形態を特徴とする、奇妙なオブジェへと変貌します。シュルレアリスムによる空間への関与をご覧いただきます。
出品作品

ルネ・マグリット
《王様の美術館》
1966年
横浜美術館
ヘルベルト・バイヤー
《セルフ・ポートレイト》
1932年
東京都写真美術館
*前期展示© VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2025
G3872
サルバドール・ダリ
《アルザス、フランス国有鉄道》
1969年
サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)
*後期展示© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR Tokyo, 2025
G3872
エルザ・スキャパレッリ
《香水瓶「スリーピング」》
1938年
ポーラ美術館
メレット・オッペンハイム
《鳥の足のテーブル》
1939年 / 1983年
岡崎市美術博物館© 2025 by ProLitteris, Zurich & JASPAR, Tokyo
G3872
関連イベント
講演会 シュルレアリスムと「偶然の出会い」?―コラージュ・オブジェ・日本
| 開催日時 | 2025年12月13日(土)14:00 – 15:30(開場 13:30) |
|---|---|
| 登壇者 | 速水 豊(三重県立美術館長) |
| 会場 | 大阪中之島美術館 1階ホール |
| 定員 | 150名(先着順、事前申込不要) |
| 参加費 | 無料。ただし本展の観覧券(半券可)が必要。 |
担当学芸員によるギャラリートーク
| 開催日時 | 2026年1月15日(木)、2月4日(水)14:00 –(13:45受付・45分程度) |
|---|---|
| 会場 | 大阪中之島美術館 4階展示室 |
| 定員 | 30名(要事前申込)*約1か月前募集開始予定 |
| 参加費 | 無料。ただし当日ご利用になる観覧券が必要。 |
東京オペラシティアートギャラリー 2026年4⽉16⽇(⽊)– 6⽉24⽇(⽔)





